秋葉原にヒューマンインタラクション研究所の新拠点がオープン!
こんにちは、オウンドメディア編集部です。 6月初旬にヒューマンインタラクション研究所(以降、研究所)の新拠点が秋葉原にオープンし、従業員向けのお披露目会が実施されました。 研究所が取り組むロボット開発など、普段触る機会があまりないプロダクトに、文字通り触れる事が出来たイベントの様子をレポートいたします。
INDEX
■ヒューマンインタラクション研究所とは
ヒューマンインタラクション研究所は、レアゾン社が擁するR&D研究部門であり、全ての人が自分自身の意図をよりスムーズに表現し、周囲の人や世界と自由に関わることを可能とするテクノロジーを追求しています。音声・視線・手や身体を用いたジェスチャーの認識や、マニピュレータや道具・楽器等の操作、協働ロボット技術などあらゆるユーザがより効率的に情報伝達を行うための技術について幅広く研究しています。
モノづくりの聖地「秋葉原」で研究開発!
新拠点は電子工作やロボット製作など日本を代表するモノづくりの聖地「秋葉原」に誕生。秋葉原駅から徒歩8分程度の場所に位置しています。
外観のイメージとは違ってオフィス内は広々としており、天井の一部をスケルトンにする事などで圧迫感を減らしていました。
室内は「執務エリア」と「ハイラボ@レアゾンHI研究所(イベントスペース)」の2つに分かれています、イベントスペースは、今後は一般の方でもロボットに触れられるようにしたり、機械学習やものづくりに関する勉強会等の開催などに場所を提供し、多くの方々が参加できる場所を目指す計画もあります。
執務エリアは窓が多く、心地よい日差しが入り気持ちが良い空間となっていました。秋葉原駅方面を一望できるので、夜には夜景も楽しめます。
執務エリアは、フリーアドレスで様々な業務スタイルができるように、什器を揃えてあります。景色も楽しめる窓際のカウンターデスクには、カウンターチェア。打合せも可能な大きなデスクに、ビタミンカラーの椅子と人間工学に対応したメッシュの椅子が選ばれていました。そのほか、スタンディングデスクは、状況に応じてレイアウト変更することもできるようになっています。
もう一つ、研究所設備のこだわりは、工作・収納エリア。スピーディーなトライアンドエラーを繰り返す必要のある最新ロボット開発研究に必要なたくさんの部品・道具、そして工作のためのスペースがたくさんありました。また、収納場所として、隠れ家的なデッキがあります。工作機械の音を気にすることなく利用できる、防音に優れた工作室もありました。
ロボットでおもてなし
お披露目会は19時頃に開始。
訪れた従業員にテレオペレーション(遠隔操作)協働ロボット「ReazonCobot」を使って飲み物を手渡すサプライズがあり、飲料缶を掴んで届ける様子に来場者は驚きの声をあげていました。
写真で操作している方は研究所の方ではなく普通の従業員。ロボットの操作は特別なものではなく、リーダーといわれる操作ユニットを使えばだれでも簡単に操作することができるようになっていました。飲み物をロボットで受け取った従業員が入れ替わりながらロボットを操作し、後から来られた方に飲み物を届ける作業を繰り返し行っていました。
ベント会場には研究所の研究に触れられるコンテンツが用意されていたので、そのいくつかを研究内容と共に紹介したいと思います。
■ ReazonCobot
CobotはCollaboration Robot=協働ロボットの略称です。研究所では現在、テレオペレーション協働ロボットの研究に取り組んでいます。遠隔操作で伝達された人からの指示のとおりにアームを動かし、人と協働し、助けるためのロボットです。
お披露目会では、ReazonCobotの操作を行う人の意思どおりに、数メートル先にあるアームが動く様子を見て、使われている技術レベルの高さを感じ取りました。
■Robot Arm Exhibition
ReazonCobotとあわせて、これまでロボット研究で用いられたロボットアームが展示されていました。
展示してあったのはオリジナルで開発されたReazonChopsと、CRANE-X7をベースにしたものなど全部で10本程度あり、自由に触れられるようになっていました。ロボットアームは、人と協調して動く協働ロボットにおける大事な要素の一つです。実際の利用環境での力の掛かり方を想定して造形を工夫し補強したりするなど、これまで様々な試行錯誤を繰り返し、現在のロボットアームは5世代目となりました。ロボット好きの参加者たちは、実際のロボットパーツに触れることができ、たまらない様子で話がはずんでいました。
更なる強度、駆動性向上のため新しいモーターを試したりしながら、実際の利用に耐えうる強度を持つアームの実用化に向けて、現在も研究は続いています。
人からの指示を把握し指示された動きを認識して実現するプログラム、実際に動きを表現するアームなど様々な要素がそろって初めてテレオペレーションロボットは動きます。今後は、これら複数の要素についてそれぞれ研究をすすめ、様々な人たちのサポートを遠隔でできるようなテレオペレーションロボットを開発することを目指しています。
■ReazonGaze
ReazonGazeは、人の視線で様々な意思伝達を可能にするための視線認識プログラムです。より精度の高い視線認識を行えるように、日々データのとり方や、精度向上の学習に適したデータにするための処理の方法などの研究が続いています。
イベントでは従業員に参加いただき、複数台のカメラを用いたデータ収集を行い、より多様な視線認識データを収集していました。このデータを使ってさらに研究をすすめることで、ReazonGazeが、より多くの人の視線を読み取りやすくなり、様々な意思の疎通に役立つようになることが期待できるそうです。
■ReazonSpeech
研究所では、対話のための音声コミュニケーションについても研究しています。研究所は、ReazonSpeechという研究成果を発表しました。ReazonSpeechは、音声認識ソフトウェアと、そのソフトウェアを訓練するための大量の音声データからなるプロジェクトです。
今回のイベントでは、このReazonSpeechの音声認識ソフトウェアを使い、マイクに向かって日本語で話すと、リアルタイムで日本語の文字起こし&英語翻訳して表示するデモが紹介されていました。
音声入力は、多くの人が使うことのできる情報伝達の方法です。快適な音声入力には、高い精度の音声認識が必要です。英語での音声認識ソフトウェアは、高い精度を誇るものがいくつか公開されています。それに比べて、日本語での音声認識ソフトウェアは、英語ほど充実していないのが現状です。日本語でも、英語と同じくらいの音声認識を可能にするために、これからもReazonSpeechは多くのデータを蓄積し、認識精度の向上を目指して研究を続けるそうです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000102162.html
効率的に情報伝達を行う技術を追い求める
お披露目会には2024年に新卒として入社された方々も多数訪れ、レアゾン・ホールディングスが手掛ける幅広い事業の一つに触れられたと、笑顔を見せていました。
こうした新しい体験をされた方が、その体験から得られた経験を自らの仕事に活かし発展させ、その仕事をサポートするための技術を研究所が更に開発していくことが期待されます。
このイベントを通して、社内だけでなく、日本や世界に影響を与える研究と開発を追い求めていくヒューマンインタラクション研究所の未来が見えた気がしました。