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2023.12.21
PROJECT STORY

レアゾンHDが東南アジアに投資を続ける理由

有名ソーシャルゲーム「ブルーロック Project: World Champion」やテイクアウト&デリバリーアプリ「menu」の開発運営などを行うレアゾン・ホールディング(以下「レアゾンHD」という)では、現在東南アジアの各所に拠点を置き、ビジネス運営に加えて、積極的な投資活動を行っている。 レアゾンHDは2019年創業、現在ではグループで600人超の従業員を抱えるベンチャー企業だが、ベンチャー企業には珍しく、投資を管掌する部門を企業内に抱え、国内外の企業へ投資を行っている。今回は、レアゾンHDのシンガポール拠点であるREAZON SINGAPORE PTE. LTD.のCFOであり、現在は東南アジアを中心に投資活動を行っている栗加慧氏に、投資先として、また協業先としての東南アジアの可能性について話を聞いた。

栗加 慧 くりが さとし REAZON SINGAPORE PTE. LTD. CFO

一橋大学法学部卒。みずほ証券、ボストン・コンサルティングを経て、YCPグループへ創業メンバーとして参画。国内及び海外(香港/ベトナム)でM&Aアドバイザリー、戦略コンサル、PE投資に従事。また、投資先/顧客の役員として企業経営に参画。2022年よりレアゾン・ホールディングスへ参画し、主に海外投資/投資先管理を管掌。

レアゾンHDは現在、東南アジアにおいては、シンガポールとマレーシアに法人を有している。シンガポール法人は、2022年5月に設立され、海外の地域統括拠点として、投資活動や投資先・グループ会社の経営管理などを主に管掌している。

マレーシア法人は、2023年6月末にレアゾンHDの100%子会社として設立。同12月現在、30名弱の社員抱え、レアゾングループの開発拠点として、また、東南アジアマーケットに対するサービス開発の拠点として事業活動を行っている。
加えて、現在、レアゾンHDはベトナムにおける投資活動を本格化させており、近日中にベトナム法人も設立予定である。

なぜ、いま東南アジアなのか?

東南アジアに力を入れる目的は2つあります。

一つ目は、『東南アジアの市場成長を取り込む』ことです。各国によって成長率は異なりますが、東南アジアのすべての国が、日本よりも大きく経済成長しており、引き続き経済規模の拡大が見込まれています。その観点から、特に東南アジアの中でも市場成長スピードの早いベトナムにおける投資活動に力を入れはじめています。

もう一つは、『コストの安さ』です。確かに、日本とのコストギャップは埋まってきてしまっているものの、それでも人件費をはじめ、あらゆるコストが低いということはビジネス上有利に働きます。特にマレーシアは、英語が堪能なエンジニアを低コストで雇用できるため、日本と比較すると圧倒的に低いコストでサービス開発ができると考えています。近年、日本におけるオフショア開発の拠点と言えばベトナムやインドネシアというイメージでしたが、エンジニアの質や言語能力とコストのバランスや事業環境等を総合的に勘案すると、現在はレアゾンHDにとってはマレーシアのほうが魅力的であると考えています

レアゾンHDが持っている既存サービスの展開にも使えそうですね。

そうですね。例えば、現在弊社では、ゲームを含めてグローバル向けにサービスをローンチすることを検討していますので、例えば東南アジアにおけるマーケティング・プロモーション活動をマレーシア、ベトナム、シンガポールの現地で行うという活用方法もありますね

そのほかの東南アジアの国や東南アジア以外の地域についてはどう考えているか?

現時点においては、そのほかの東南アジアの地域での積極的な展開は予定しておりません。ただし、今後、レアゾンHDにとっての事業・投資機会が見いだすことができれば、インドネシアやフィリピン等においても活動拠点を置く可能性はあります。

一方で、投資先地域としては今は他の東南アジアの国々よりもアフリカに興味をもっています。レアゾンHDはチャレンジができる会社なので、大きな成長機会が確実にある一方で、他社がまだ積極的にリスクを取り切れていないアフリカにいち早く展開することがレアゾンの長期的な成長につながる可能性があるからです。まだ市場調査段階ではありますが、アフリカにコミットできる人材がチームに入ってくれれば、本格的な検討を開始したいと考えています

非常に展開スピードが速いように思えますが?

はい。レアゾンHDは外部投資家から資金調達をしたことがなく、上場しているわけでもありません。そのため、海外事業展開に関しても、説明責任が少ないため、意思決定のスピードが極めて速いという特徴があります。その結果として、2023年から東南アジア展開を開始し、すでに複数か国で子会社を展開することに加えて、各国でM&A及びマイノリティ投資を複数実行しています。これは、日本企業としてはかなりのスピード感であると自負しています。適切な意思決定をすることが大前提ではありますが、意思決定のスピードは変化や不確実性が増している経済環境においては非常に重要な要素だと考えていますので、海外でも引き続きこのスピート感を持った事業展開をしていきたいです

海外での投資や事業運営の苦労点はあるか?

レアゾンHDとして海外子会社を管理する経験がなかったので、現地の法令や慣習を理解しながら、適切かつ効率的な経営管理の仕組みを導入することが特にチームメンバーに負担がかかっていることだと思います。

今後に想定される困難としては、海外現地チームのメンバー確保の難しさを想定しています。

幸いにも、これまでの展開地域においては、現地の理解やネットワークのあるメンバーやパートナーがいたためスピード感のある展開が出来てきましたが、今後、新たな地域へ展開していくタイミングで適切なメンバーが確保出来ない可能性があるので、それを見据えた採用活動や育成を推進していきたいです

展開を始めたばかりの海外において、どうやって事業機会・投資先を探してくるのか?

これには2つのアプローチがあります。まずは、レアゾンHDのネットワークを最大限に活用する方法です。実際、現時点では、事業パートナー、投資先、知人等経由で事業・投資機会に巡り合うことが多いのが現状です。

ただし、それだけでは不十分なため、二つ目の方法としては、徹底的な業界や企業のリサーチをベースに事業・投資機会を探してくる方法に取り組み始めています。ただし、このリサーチは、すべて人力で行うのではなく、できるだけテクノロジーを活用しようとしています。例えば、レアゾンHD内のR&D部門と連携して、Generative AIを活用したリサーチの仕組みを作り始めています。理想としては、チームメンバーは人間にしかできない領域にのみフォーカスして、それ以外の部分はすべてAIを中心としたテクノロジーが担うような投資活動の仕組みを作り上げていきたいです

レアゾンHDは、今後も東南アジアをはじめとして、複数の地域に対する積極的な投資を検討・実施している。今後の動きに関しても、適宜状況を伝えていく。

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RECRUIT
EDITOR / HIROKI TAKAHASHI

1982年生まれ、金融経済新聞社にて編集記者として記事執筆やラジオNIKKEIでのマーケットアドバイザー業務などを経験。その後、コンサルティングファームにて経験を積んだのちに独立。2023年、レアゾンホールディングスにジョイン。

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1982年生まれ、金融経済新聞社にて編集記者として記事執筆やラジオNIKKEIでのマーケットアドバイザー業務などを経験。その後、コンサルティングファームにて経験を積んだのちに独立。2023年、レアゾンホールディングスにジョイン。

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