今年度は、2025年新卒エンジニア研修関連記事を既に3本リリースさせていただいておりますが、ついに最終回を迎えました。 本記事では、この研修を中心となって運営していた新卒2年目のメンバーに焦点を当てております。実際に運営メンバーにお集まりいただき、設計~運営に至るまでの様々なエピソードをお話いただく座談会を実施しましたので、その様子を是非ご覧ください。
メンバー紹介

新川 悠斗
しんかわ ゆうと
menu事業本部 PM
menu事業のクルー(配達員向け)プロダクトのプロダクトマネージャーを行いつつ、エンジニア研修では全体PMを担当。

田村 篤志
たむら あつし
開発本部 エンジニア
エンジニアとして、シニアテック事業の開発・プロジェクト管理に従事。研修では、Shell/OS、 Webフロントエンド、ハッカソンのサポートを担当。

小西 眞永
こにし まなと
ソーシャルゲーム事業本部 ゲーム開発部 エンジニア
クライアントエンジニアとしてゲームアプリ開発へ従事。研修では、ゲーム講座、ハッカソンのサポートを担当。

西窪 修広
にしくぼ よしひろ
ソーシャルゲーム事業本部 ゲーム開発部 エンジニア
バックエンドエンジニアとしてゲームアプリの開発業務に従事。研修では、Git、データベース、Webバックエンド、インフラを担当。

石黒 琢己
いしぐろ たくみ
開発本部 エンジニア
エンジニアとして、大規模な広告配信システムの開発に従事。研修では、Webフロントエンド、バックエンドを担当。
それでは、実際の座談会の様子をご覧ください!
2025新卒エンジニア研修運営に参加したきっかけ

早速ですが、まずは皆さんが今回研修の運営に参加しようと思った理由を教えてください。

昨年受講側としてエンジニア研修に参加し、その時に講師として関わってくださった先輩方の姿を見て、「自分もあんな風に、丁寧に教えてくれたり、一緒に考えてくれる先輩になりたいな...」と漠然と感じたことがきっかけです。また、人に何かを教えるということは、教える側がその内容を深く理解している必要もあるので、自分自身の知識を増やしスキルアップを図ることができるチャンスだと感じたことも理由でした。

確かに講師陣は眩しく見えましたよね。小西さんはいかがでしょう?

昨年8月に実施した高専インターンでゲームの作り方を教えることがあり、「自分で作るだけではなく、教える立場も面白いかも。」と思ったことで、エンジニア研修の運営も経験してみたいと考え、参加を希望しました。

私は単純に教えることが好き、ということが参加の動機です。また、人前で話すことは中々訪れるものではないですし、私自身もITに関する普遍的な知識を勉強できる面白い機会だったと感じています。


運営サイドも色々なことを勉強できますよね。田村さんは

西窪さんと同じく、教えることが好きですし、いざ実際の業務が走ってしまうと中々エンジニア関連の幅広い知識を吸収する時間が少なくなってしまっているので、とても良い機会でした。 また基本的には新卒2年目が中心となって動いているので、同期と共に何かを成し遂げるということが、純粋に楽しそうだなと思いました。
コンテンツを設計する上で苦労した点

ありがとうございます。そこから皆さん運営メンバーとして動き出したわけですが、コンテンツを設計していく中で苦労したことはありましたか?

何を教えるべきなのか、具体的な項目を決める作業には一番苦労しました。もちろん研修運営は初めてだったので、当時はコンテンツを設計するために必要な知識は全く足りませんでした。何が必要で何を削るのか。このジャッジが非常に難しかったです。

やりたいことはたくさんありますけど、そこから優先度や重要度を決めるのは本当に大変ですよね。小西さんは何かありますか?

私が担当したゲーム研修においては、ほとんど0ベースでコンテンツを設計したので、レベル感の調整などには苦労しました。未経験者がついていけない、経験者が飽きてしまう、などの事象が発生しないようにするちょうど良い塩梅を探すために、何度も話し合いを重ねました。

私はWeb研修を担当したのですが、関わる人数が多かったので進め方が難しかったです。Web研修全体のPM、フロントエンド・バックエンドの各講義の運営と講師など、役割も細分化されており、とにかく丁寧に連携を図ることが大変でした。
また参加者全員にとって実りがある研修にするために、昨年からアップデートしたいという意気込みが強くあったぶん、ほぼ0の状態から作ることに非常に労力を必要としました。


多くの社員にご協力いただいているので、その分まとめるのは大変でしたよね。石黒さんはいかがでしょう?

新卒メンバーが入社時点でどの程度の経験や知識を持っているのか情報が全くない状態だったので、受講者全員が「有意義な研修だった」と感じていただけるような設計にするためにはどう工夫したら良いか考えることに苦労しました。

私も含めみなさん、受講する側全員が満足してもらえるようなコンテンツを0から作り上げる難しさを、今回の研修運営を通して実感しましたよね。
2024年度研修から2025年度研修の変化

昨年は受講側、今年は運営側、と異なる立場で研修に携わっていますが、昨年と比較して変化はありましたか?

研修の内容でいうと、やはりゲームとWebを分けたことは大きな違いです。各経験者向けにしたことで、一段階レベルが上がったコンテンツを提供できたと感じます。

そうですね。私も全体的なクオリティが上がったと感じています。昨年の良かったところは取り入れつつ、更に良くできそうなところは改善していきました。そのおかげで、“自主性”というテーマ通り、新卒メンバーが自主的に考えてもらうような研修になったと思います。

過去先輩方が作成したスライドをベースに、「この知識も入れたいな」「ここもう少しかみ砕いて説明できないかな」と時間をかけて試行錯誤を繰り返したので、より網羅的な研修になったのではないかと思います。あとは、ハッカソンが全社配信されたことも大きな変化です。

皆さん業務中だったにも関わらず、多くの社員にご覧いただいたようで嬉しいですよね。


そうですね。あとは、研修にCursorが導入されたことで、研修生がコードエディタ上でAIのサポートを受けられるようになったことにより、昨年度と比較してハンズオンにかかる時間がかなり短縮されたように感じました。また、研修生がAIと対話しながら、自身の思いついたアイデアをすぐに実装・具体化できるようになったため、運営が用意した枠組みにとらわれず、研修生ごとにユニークな取り組みができたと思います。

この一年間で更にAIが進化しているので、積極的に取り入れたいですよね。
研修を終えて、率直な感想

それぞれ昨年度から様々な変化を感じていらっしゃるかと思いますが、改めて研修を終えていかがでした?

とりあえず楽しかったですね。尋常ではないくらい忙しさはあったのですが、非常にやりがいがある忙しさでしたし、目の前にユーザーがいる感覚は通常の業務では中々味わえないので、自分がやっていることが直接反映される経験をできたことは良かったです。


間違いなく楽しかったですね。ただ、想像していた以上に準備や細かな調整に多くの工数がかかり、とても大変だったというのが率直な感想です。0→1で何かを作るという機会が、通常の業務で頻繁に発生するものではないので、考え方やスケジュールの引き方など細かい流れを知ることが出来て、私自身非常に勉強になりました。
また、新卒メンバーと直接会話をする中で、自分一人では思いつかないような新しい視点や発想に触れ、視野が広がり貴重な経験になりました。何かを人に伝えるというアウトプットは、物事を多角的な視点で見つめ直し、知見を深めることが出来ると改めて感じたので、今後も意識的に行っていきたいです。


そうですよね。最後は「楽しかったな...」という感情が残っていますが、色々と途中は大変でしたよね(笑)。

長い時間をかけて考えたプランも、いざ研修が始まると思い通りにいかないことも多々ありましたよね...。新卒メンバーの反応を見て、研修を進めていく中で修正していくという作業はハードではありましたが、個人的には良い経験です。

やはり自主性を育むことは難しいな、と思いました。今回はざっくりと目的と手段を伝えて、意図的にどう作るかまでは教えないようにしていました。そうすることで、目的を達成するためにはどうしたら良いのかを自主的に調べてほしいという趣旨があったからです。ただAIの発達によりAIに聞くと並大抵のことは解決できてしまうので、そことの兼ね合いには苦労しました。ただ、全体を通してやはり楽しかったということは間違いないですね!
今回の研修を経て、次回の研修で取り組みたいこと

それでは最後に。次年度の研修を実施予定かと思いますが、何か新たに取り入れてみたいことはありますか?

先ほどに続きますが、やはりAIとの付き合い方を教えてあげる機会を設けた方が良いと思っています。非常に便利なものである一方、使い方によっては全く効果を発揮しない場合もあります。新卒メンバーが研修中にわからないことをAIに聞いてレスポンスを鵜呑みにしてしまい解決できず困っているシチュエーションに何度も出会いました。AIをどのように使い、どう使うと効果的なのかを教えてあげることで、よりレベルアップできるのではないかと考えています。

正しいAI活用方法を理解した上で、このAI時代を踏まえアップデートは必要になってくると思います。いかに未来を読んで理解をして、少なくとも今後数年間はきちんと実務で活かせるような内容を伝授していけるかが大きな挑戦になると考えています。

そうですね。ただしAIが進化したからといって講義の内容を大幅に変えなくてはいけないかと言われれば、それは必要ないと思いますし理想形です。エンジニアとして長期的に使うことができるスキルが身につくような講義にしていきたいです。

私も研修内容は出来るだけ変えないという意見には賛成です。手段などは時代によって変動があるかもしれませんが、思考や考え方は時代の変化関係なく共通するものだと思っています。そこをうまくまとめることが、運営メンバーの役目だと考えます。
また、講師と研修生でのペアプログラミングなどが実施できると研修生ごとの個性や経験、知識などが運営側も把握しやすくなるのではないかとも思います。


自分たちが開発するものが世に出てユーザーに触っていただき、結局それがお金を生むということを意識できるような機会も提供していきたいですね。

研修後の実務をスムーズに行うことが出来るように、利益を生むということを研修中から意識してもらうことは重要かもしれませんね。

今回を活かして、来年度以降もより良い研修を実施できると良いですね。
皆さん本日はお集まりいただきありがとうございました!

最後に新川さんより、研修を終えて全体の振り返りと、来年度以降の研修に向けてコメントをいただきました。
全体振り返り
今回の研修では、
① 研修をよりスケーラブルにすること
② 昨年よりもチャレンジングな内容にすること(特にハッカソン)
の2点を意識して設計しました。
この①と②の目標については、しっかりと実現できたのではないかと感じています。
①に関しては、一部先輩メンバーのサポートを受けつつも、24卒メンバーが主体的に動いてくれたおかげで、‟昨年の新卒が自分たちで研修をつくる”という流れをしっかりと引き継ぐことができました。また、引き継ぎ資料や各種ドキュメントを整備できたことで、来年の研修運営を担う世代にとっても、大きな助けになるのではないかと思っています。
②については、昨年に引き続き、ハッカソンに2025新卒のデザイナーメンバーにも参加いただき、短い準備期間にもかかわらず、非常にレベルの高いプロダクトを開発できたと感じています。さらに、新たな試みとして、研修全体のデザインに24卒のデザイナーが携わってくれたことで、研修体験そのもののクオリティも大きく向上しました。
一方で、細かい反省点もいくつか残っています。
特に「AIが当たり前になっている時代において、研修が何を提供すべきなのか」という問いに対しては、まだ改善の余地があると考えています。
ここで得た気づきや反省は、必ず来年の研修に活かし、さらに質の高い内容へアップデートしていきたいと思います。
改めて、今回の研修に参加してくれた2025新卒エンジニアの皆さんには、長期間にわたる研修を最後まで走り切っていただき、本当にありがとうございました。
そして、2024新卒の研修運営メンバーにも、最初から最後まで伴走していただいたことに、心から感謝しています。
皆さんのおかげで、今年の研修も非常に実りあるものとなりました。

今後の展望
来年の新卒研修では、まず 「AI時代において、なぜ研修をやるのか」 をもう一度しっかり言語化したいと考えています。
技術的なキャッチアップは個人でもできるし、AIが多くの作業を肩代わりする時代だからこそ、研修は単なるスキル学習の場ではなく、“レアゾンらしい文化を育てるための場” であるべきだと思っています。
エンジニアとしての成長だけでなく、
・仲間とどう向き合うか
・プロダクトにどう向き合うか
・不確実性の中でどう意思決定するか
・自分のキャリアをどうデザインしていくか
といった、AIでは代替できない「人としての強さ」 を育てる場所にしたいです。
今年のチャレンジ(主体性の強化・プロダクトの社内公開)は、その文化づくりの第一歩になりました。
来年はそれをさらに発展させ、レアゾンの若手が早期から“自分の意志で動く人材”に育っていくための仕組みとして研修をアップデートしていきたいです。
改めて新卒エンジニア研修運営メンバーを始めとする関係者の皆さま、お疲れ様でした。
来年の開催も楽しみにしております!


