前回の新卒エンジニア研修記事では、研修全体の流れと座談会の内容をご紹介させていただきました。
本記事では、研修の中でも特にボリュームがあった約2週間に渡るコンテンツ、“ハッカソン”に焦点を当てています。
ハッカソンとは、ITエンジニアやデザイナーがチームを作り、特定のテーマに基づいてアイデアを出し合い、協力して短期間で集中して開発するイベントです。そして、限られた時間内でイノベーションを生み出し、実際に動作するプロダクト・サービスを完成させることがゴールです。
新卒研修とは思えないレベルが高いハッカソンとなっており、面白いプロダクトが多く生み出されました。エンジニアではない方も興味が湧く内容となっておりますので、是非ご一読いただけますと幸いです。
新卒研修でハッカソンを行う目的とは?
レアゾンの研修では、エンジニアとデザイナーが参加しています。理由としては、ユーザー理解からサービス設計までの0からサービスを作り上げる経験を通して、”自分ごと”としてサービスに関わることができるようになることが目的です。また、別職種との協業経験から、スムーズに業務を行う土台を形成すると考えています。
今回のテーマ
今回は、N1のインサイトを解決するプロダクト開発“N1エンジニアリング”がテーマとなり、WEBアプリを作成する5チームとゲームアプリを作成する2チームの計7チームに分かれました。そして、WEBチームは“N1が本当に困っていることを、技術で解決するプロダクトをつくる”、GAMEチームではN1が“「これおもしろい( interesting )!」と夢中になる体験を届ける”ことをそれぞれ意識しながら、開発に取り組んでいただきました。
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N1エンジニアリングとは?
ある特定の1人(N1)のインサイトを解決するプロダクト開発を意味します。今回の研修における開発プロセスは以下の通りです。
<WEBアプリ開発プロセス>
・N1インタビューを実施する
・N1が何に不満を持っていて、何があれば解決できそうかアイデアを出す
・方針を決定する(MVPを考える・画面遷移図を作る)
・簡易的なものを開発する
・N1の反応を見る
・軌道修正もしくはブラッシュアップを繰り返す
・開発完了
<GAMEアプリ開発プロセス>
・N1インタビューを実施する
・N1の趣味嗜好を読み取る
・どういうアプローチならN1が夢中になるか考える
-N1のために考えた理論があれば問題ない
-趣味嗜好に沿ってなくてもOK・苦手な〇〇を好きにさせるなどでもOK
・方針を決定(MVPを考える・画面遷移図を作る)
・簡易的なものを開発する
・N1の反応を見る
・軌道修正もしくはブラッシュアップを繰り返す
・開発完了
今回のハッカソンの流れ
①N1インタビューからアイデアを出す
<WEBアプリ>
・N1が抱えている課題を見つけ、プロダクトアイデアを出す
・可能であればMVPも考える
<GAMEアプリ>
・N1の特性を深く理解し、面白いと言わせるゲームアイデアを出す
・可能であればMVPも考える
★point
●ユーザーは言葉通りとは限らない
・N1の言葉を鵜呑みにしない
・N1の真の課題を探り(予想)し、深掘りする
●現時点での方向性の固定は禁物
・初期段階広く浅い質問が多いので、課題を決め打ちしない
●N1を徹底的に深掘りする
・N1のオタクになるくらいの心持ちでヒアリングをする
●「困っていること」 vs 「嫌いなこと」
・困っていたり不便を感じていることは解決できる可能性がある
※嫌いなことを好きに変えるのは難しい
②プロダクトの方針を決定する
★point
●コミュニケーションを意識する
・意見の衝突も起こるタイミングですが、チーム全員が共通認識を持つ必要があるので、コミュニケーションの取り方には注意する
・何か困りごとが発生した際には、すぐにSOSを出すことが重要である
・報連相を意識しながら、作業を進める
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③プロダクト開発を進める
方針が決まったら、いよいよプロダクト開発が進んでいきます。必要に応じて追加インタビューなども実施し、N1が本当に求めていることを細かくヒアリングしながら、徐々にプロダクトを完成させていきます。
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④最終発表会
約2週間という短期間で、アイデア出し~プロダクト開発まで行い、実際のプロダクトを発表する場です。
※次回の記事にて、最終発表会で実際に披露いただいたプロダクトをご紹介させていただきます。お楽しみに!
各発表が終了した後には、レアゾンの役員・ベテラン社員からのフィードバックもあり、新卒メンバーも非常に貴重な経験をできたのではないかと思います。
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新卒メンバーの声
ハッカソンが無事終了し、新卒メンバーの皆様もとても満足がいく研修となったようで、いくつか実際にいただいた感想をご紹介します。
「ハッカソンでチームで1つのプロダクトを議論しながら作ったことは、ユーザー視点でサービスをどう改善できるかを考えることに役立っていると思います。」
「ハッカソンでデザイナーさんと一緒に開発したことで、他職種の人との交流の大切さを学べてよかったです。そのおかげで、実務でも他職種の人のことを意識して開発できています。」
「ハッカソンでの0→1のチーム開発を入社して間もないタイミングで経験できたことは良かったです。」
発表後には慰労もかねて懇親会も開催しました。
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嬉しい意見が多く、運営メンバー視点でも非常にやりがいを感じるハッカソンとなったのではないかと思います。
最後にハッカソンを終えて、運営メンバーより感想をいただきました。
ハッカソンを終えて
まずは、研修生たちが短期間で主体的にアイデアを形にし、チームとしてアウトプットを出し切ったことに、運営として大きな達成感を覚えています。座談会や日報・KPTといった仕掛けが機能し、学びや気づきが自然に生まれていたことも印象的でした。
今回特に意識した点は、‟自主性を育む”という研修テーマに沿って、運営が答えを提示しすぎず、研修生自身に「なぜこのプロダクトを作るのか」を考えさせることです。AIがコード生成や機能実装を容易にしていく時代だからこそ、プロダクトの根幹である‟目的”や‟価値”を本気で考える経験が、彼らの将来にとって最も重要だと感じています。
一方課題もみえてきて、短期間ゆえにスコープ設定や優先度付けが難しく、チームごとの完成度に差が出てしまいました。運営としても想定外のトラブルや進行の遅れにどこまで介入するか判断が難しく、改善余地を残しました。
来年以降は、さらに事前の準備を厚くし、ステークホルダーへの頭出しや運営負荷分散を整えた上で、‟なぜ作るか”を軸に議論できる環境を一層意識して設計していきたいです。単なる技術実装に留まらず、AI時代にこそ必要な‟問いを立てる力”を育むハッカソンにしていきたいと思います。
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次回は新卒メンバーがそれぞれ工夫を凝らした素敵なプロダクトをご紹介させていただきます!デザイン性も高く面白いプロダクトが揃っておりますので、是非そちらもご覧ください。