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2024.03.22
KNOWLEDGE

Eth Hacker House

こんにちは、プロダクト開発本部の田川です。 今回は、2024年2月3日にレアゾン・ホールディングス(以下レアゾン)がWESTALLをイベントスペースとして提供して開催されたブロックチェーンのイベント「ETH Hacker House in Tokyo」に参加した体験記事を書きたいと思います。 本記事では、ブロックチェーンとは何かという基本的な情報から、イベントがどのような目的で開催され、どのような内容であったのかといったところについてもお伝えできたらと思います。

ブロックチェーンとは何なのか?

ブロックチェーンとは、取引記録をブロックに格納しそれを暗号化技術を用いてチェーンのように繋げ分散型に処理、記録できるようにした技術のことです。各ブロックは一意の前のブロックへの参照を持つため、改竄するには指定したブロックだけでなく、それに続く全てのブロックデータを改竄しなければなりません。またブロックチェーン化された取引記録は分散型ネットワーク上に存在するため、中央管理者の介入なしに、全ての参加者が取引履歴のコピーを保持することができます。そのため、もしある箇所でデータの損失や改竄が発生したとしても、他の多数のコピーから正しい取引履歴を復元し、改竄を見つけることができます。これらの特性からブロックチェーンは高いセキュリティ、データの透明性を確保できるとされています。

今回のイベントの目的は何か?

さて、ここからが今回の本題になりますが、「ETH Hacker House in Tokyo」ではどのようなことをしているのでしょうか。 そもそもブロックチェーンのハッカーハウスとは、エンジニア、起業家、学生などが一堂に会し、ブロックチェーン技術に関する最新の知識や情報を交換し、アイデアを共有する場のことです。このイベントでは、参加者間での意見交換を促し、新たなシナジーを生み出すことを目指しており、それが結果的にブロックチェーンコミュニティの発展に貢献する場となることが期待されています。

レアゾンとしても現在、ブロックチェーン事業を進めています。その事業の一環としてイベント場所の提供という形でブロックチェーンイベントを支援させていただいたのです。

今回は弊社グループであるレアゾン・シンガポール社の代表を務める田上が、関わりのあるブロックチェーンコミュニティをこのイベントに招待し、スピーカーとのやり取りやイベントの段取り、イベントの進行役を務められました。金融やブロックチェーンに関わる事業を積極的に進めているレアゾンが、今後国内でブロックチェーン事業をしていく中で、このような日本のブロックチェーンコミュニティとの繋がりを持つというのはかけがえのないものであると感じています。

7人のスピーカーのお話

イベントでは海外と国内から7人の登壇者の方にお話をいただきました。

1人目のスピーカーのYurikoさんには、FHE(Fully Homomorphic Encryption)、完全準同型暗号についてのお話をしていただきました。完全準同型暗号(FHE)は、暗号化されたデータ上で演算を行うことができる暗号技術です。この技術の最大の特徴は、データを復号することなく、暗号化された状態で計算を実行できる点にあります。つまり、FHEを用いることによって、第三者や計算を実行するプラットフォームでも、元のデータの内容を知ることなく、データの処理や分析を行うことが可能になります。FHEでは計算の結果のみが必要であり、その過程でデータの内容を明らかにする必要がないため、データのプライバシーを保護する強固にすることができます。

次にNewkiさんにはNewkiさんが開発されているブリッジ技術と有名なブリッジの比較をご説明いただきました。ブロックチェーンは様々なチェーンに分かれて存在しており、ブリッジはその異なるブロックチェーン間の相互運用性を可能にしています。わかりやすく説明すると、ビットコインはビットコインブロックチェーン上に存在し、イーサリアムはイーサリアムブロックチェーン上に存在します。ではイーサリアムをビットコインチェーン上に、ビットコインをイーサリアムブロックチェーン上に移すということは可能なのでしょうか。答えは可能です。その異なる二つのブロックチェーン上間でやりとりできるようにする技術をブリッジといいます。そのブリッジにはいくつかの有名な技術、Optimistic ModelやzkBridgeなどがあり、それらについての比較解説とNewkiさんが現在どのようなブリッジ開発をされているのかについての解説をいただきました。

3人目にTsutsumiさんに「ゼロ知識証明」の技術であるzksnarks、IZK (interactive zero knowledge proofs)等に関するご説明をいただきました。ゼロ知識証明は、ある情報が真実であることを、その情報の内容を明かすことなく証明する技術です。つまり、情報の持ち主は情報を公開せずとも、その情報が正しいことを他者に証明することができる技術です。この実装例であるzksnarks、IZKの解説をいただきました。

4人目chokermaxxさんには、zkVMに関するお話をいただきました。このzkVMもゼロ知識証明の技術でありますが、ゼロ知識証明を利用した仮想マシンであるというところが特徴で、トランザクションやスマートコントラクトの実行結果を示すことなく、正しく実行されたことを証明するものです。わかりやすく説明すると、公開されているルールと初期状態、終了状態を手順を公開せずに初期状態から終了状態になったことを証明するものです。例としてチェスのケースが挙げられます。チェスは開始時の配置が決まっており、ゲーム終了時の盤面はプレイヤーが勝った状態か負けた状態です。これをどうやってそのプレイヤーが勝ったのか負けたのかというゲームの手順を示すことなく勝ったか負けたかを証明できるというのがこの技術です。

5人目のNicoさんには、MynaWalletのゼロ知識証明応用について説明していただきました。ゼロ知識証明の問題の一つとして証明の作成に時間がかかることが挙げられます。この問題の解決方法としてNicoさんは、モンゴメリ演算やMSM(Multi-Scalar Multiplication)のような効率的な数学的手法を使用することで、この問題の解決を試みているという解説をいただきました。

6人目のTachibanaさんには、ERC-4337、AA(アカウントアブストラクション)という技術についての解説をいただきました。 ERC-4337はイーサリアムの使い勝手を改善するための規格であり、スマートコントラクトを使ってより直感的かつ安全にトランザクションを行えるようにすることを目指しています。このERC-4337についての実装についてコードを例に出していただきながらわかりやすく説明をいただきました。

最後にShoさんには、「日本でみんなが参入しやすいethereum staking serviceを作る」というアイデアは実現可能なのかについて、国内のステーキングサービス、lido等の比較を交えながら解説していただきました。より日本でイーサリアムの開発者を増やし、イーサリアムを最低額を設定することなく預けることができて、それをいつでも引き出せるような状態にできたらより使う人が増えていくのではないかというコミュニティを考えた興味深い解説でした。

このように難しい専門的な内容が多く、暗号学や数学に詳しいわけではない私にとっては理解に苦しむ部分も数多くありました。ですが、このような技術について触れることで、概念だけを知っていたことに対する理解が深まり今後のブロックチェーンの進化がどのような方向に進んでいくかについても考える良いきっかけとなりました。

まとめ

ブロックチェーンという分野はまだまだ発展途上であり、さまざまな人との繋がりとコミュニティがこの分野を発展させていくのではないかと感じております。

そのような活動にレアゾンとしても今回のイベントのような形で貢献していることはとても価値があり、今後も様々な方向からブロックチェーンの分野に貢献していけたらと考えています。

今回のレポート記事は以上になります。

ありがとうございました。

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WRITER / YUKI TAGAWA

米国大学院のコンピュータサイエンス学部卒業後、2023年に新卒としてレアゾン・ホールディングスに入社。現在、web3事業開発にサーバーサイドエンジニア兼マーケットリサーチャーとして従事。

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